※if的要素が多いです。久能とハルカが帝都へ戻ってきてます。平和になって、多分ハルカは大学生。





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「ごめんなさい、ごめんなさい、ハルカさまぁ」
「お前本当に、なにやっても無能」

とある休日。
スーパーの袋を抱え、家に向かい歩く二人。

「無能じゃないです、でも、ごめんなさい、うぅ…」

つい、数時間前。
「ハルカさまのためにがんばります!」と張り切って昼食の準備をはじめた久能だったが……

「ははは、ハルカさまぁああなんか燃えてますぅ」
「は…?……ってえええええええええ?!」

一瞬、目を離しただけだというのに、なぜフライパンが炎上しているのか、さっぱりわからない!
(それからの必死の消火作業…はあまりにも長いし決して楽しいものではなかったので省略させていただくが。)
そんな騒ぎでもちろん、昼食がとれるわけもなく、冷蔵庫にあった食材も空っぽ。
(全部あのフライパンに投下したのか?無能!)
適当なファーストフードで昼食をとり、空になってしまった冷蔵庫の中身を調達。

そして、現在に至る。

「最悪…」
「う…うっ…ごめっ…ごめんな…さ…」
「…なんで泣くんだよっ」

ため息をつくハルカを見て、泣き出してしまった久能。

「怒って…ます、ハルカさま…」
「別に…怒って…ねぇ」
「怒って、ます…ひっく」

「…ちっ」

「あ…」

突然、泣いていた久能が、顔を上げた。
そこには…ハルカと久能にとっては絶対、一生忘れることはないであろう人物。
葦牙、佐橋皆人と、その鶺鴒、結がこちらの方に向かって歩いていた。

「あ、久能さん」
「鷸くん」
「結さんと、佐橋さん…こんに…ちは」
「よう…」
「久能さんたちもお買い物ですか?」

にっこり、と優しく久能に微笑む結。
それとは対照的に、ハルカの後ろに隠れふるふると震え、涙目のまま、こくり、と久能は頷いた。

「………」
「鷸くん…どうしたの?何か…?」
「別に……あー、あー、良いよな、佐橋の鶺鴒は無能じゃなくて!」
「な、なに?何か?え、何か機嫌悪い?」

「は、ハルカ…さまぁ…わたし、わたし」
「いいよなー美人だし」

ぽろぽろ、と、再び久能は泣き出す。
そんな久能を見て、また、ハルカは少しイライラする。
(ニコニコと、結は笑い続けている)

その様子を見て、皆人は、ただ、頭上に「?」マークを浮かべるしかない。
しかし、そんな皆人も、次の結の言葉には、動揺せざるを得なくなるわけだが。


「では、結が鷸さんの鶺鴒になります!」


「え?結ちゃん、何言ってるの?」
「久能さんは、今から皆人さんの鶺鴒です!」


「交換っこしましょう!!」


「は?え、ええええええええ?!」
「というわけで、結は鷸さんの鶺鴒なので鷸さんのお家へお邪魔します、行きましょう」
「は、ハルカさま…!」

ぐいぐいとハルカの腕を掴み歩き出す結に、残された久能は、ただポカーンと口を開けて見ていることしか出来なかった。
(あの結ちゃんのパワーで引っ張られている鷸くんは、もちろん抵抗なんて出来るわけがない。)


―大丈夫です、きっと良い方向へ進みますよ


ニッコリ笑いながら、自分にだけわかる小さな声で残した言葉。

「とりあえず、行きますか」

今は、結ちゃんを信じてみよう。
そう思いながら、皆人は久能を連れ、出雲荘へと向かった。






 
   




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葦牙、鷸ハルカは、激しく困惑していた。

「あのー…」
「はい!」
「俺、どうすれば…」
「いつも通り、普通にすごしてください」
「普通…って言われても」
「わたしは鷸さんの鶺鴒なんですから、お気を遣わずに」

とてつもないパワーで引っ張られ、いつの間にか自分の部屋へ。
目の前には、巨乳美女がひとり。

普通に…って言われても、一体なんなんだ!

一方、目の前にいる結は、ずっと笑顔を崩さずにただ座っている。
俺がこれから24時間この状態でいれば、彼女もまた24時間ずっと笑顔で座っているだけなのではなかろうか。

…それもまた更に困るな。

「じゃあ…レポート書いてるから…」
「ああ、大学の、ですね…皆人さんもたまにやってます!では、結は隣で応援します!!」


―ハルカさま、頑張ってください、あの、ハルカさまが頑張れるようにわたしも、がんばって昼食作ります。


「っ…」
「どうしましたか?」

結の言葉で、今は『ここ』にはいない『あいつ』の顔が。

…不覚にも思い出してしまった。

不思議そうに見つめる結から視線を逸らし、「なんでも…ねぇよ」と小さく言い、俺はレポート用紙を乱暴に机の上に置いた。


*******


………2時間…

………4時間………

…………

何時間経過しても、一行も進まないレポート。
正確に言うと、一文字も、だ。
隣には、ずっと結が座っている。
正直、やりにくいし、気まずい。

「あのー…」
「なんですか?あ、お腹すきましたか」
「違うけ「はい!わたし、鷸さんのために作ります」

結は、コブシを握り立ち上がり、台所へ向かう。
…話…聞いてますか?
しかし、敢えてそれは止めないことにする。
(なんか…もうめんどくせぇし)

鼻歌を歌いながら、料理をしている結の背中。
美人で綺麗な(あれ、これ意味同じじゃねぇか。)女の子(しかも巨乳)が、俺のために料理を……。

これ、なんてエロゲ?
冷静に考えれば、すごくおいしい状況なんじゃないのか?なんてその背中を見ながら考えたりして。

「はぁ…」

でも、何故、幸せだと思えないんだろう。
何かが、足りない。

……『あいつ』は大丈夫だろうか。
きっと、また大声で泣いているんじゃないだろうか。
佐橋の他の鶺鴒に遊ばれてたり、
無能ちゃん、無能ちゃんなんて呼ばれて。
『無能じゃなくて、久能ですぅ』なんて。

………あ。

「できましたっ」
結の声で、現実へ引き戻される。

(…何、考えてるんだ、俺)

結が両手に一皿ずつ乗せ、持ってきたものは、大盛りのカレーだった。
大盛り…………特…盛り?超…特盛り?
「……ってえええええええ盛りすぎだろおお」
「そうですか?皆人さんはいつも全部食べますよ?」

佐橋皆人…おそろしい子…!

「あー、えっと、とりあえずいただきます」
「どうぞ!」

結の作ったカレー。
盛りは異常だったが、味は普通だった。
いや、むしろ、おいしいと思った。


―ごめんなさい、うまく、できなくて、


「また……俺」
「鷸さん?おいしくなかったですか?」
「え、あ、うまい…けど」


―おいしく、ないです…よね、ごめんなさい。


「やっぱり、久能さんの作ったもののほうが、おいしいですか?」
「え?いや、あいつ本当無能で、料理もへたくそで…」
「そうなんですか?」

自分の考えていたことが見透かされているようで、一瞬ドキリとした。

目の前にいる女の子は美人で、料理もおいしくて。
でも、何故自分は満たされない?

もう、答えなんて、本当はずっとわかっているけど。

「あいつが作っても…具とか、大きすぎるし、カレーなのに、変な色してた…
あれ、そもそもあれって、カレーだったの、か?味も、見た目通り…アレだし」

「でも、でもさ、」

スゲー、嬉しかったんだ。

……。

「美味しくなくても、鷸さんが大切に想う久能さんが、鷸さんを想いながら作ったお料理ですから」
「ばばば、バカ、そんなんじゃねーよっ」

あのときも、あいつは「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返して、ぽろぽろ泣いていたっけ。

「……俺、あいつのこと、いつも泣かせてばっかりで、今日だって」

あのはじめて出逢った、真っ白なせかい。
泣き顔が見たかったから声をかけたわけじゃない。
泣きながら震え、マフラーを掴むあいつを、守ってあげたいと思った。

なのに。

今日もそうだ。
また、俺が、泣かせてしまった。

「そんな自分にイライラして、また八つ当たりして、」

本当に、最低だ、俺。
口では「お前は無能だな」なんていつも言ってしまうけど。
冴えなくて、ドジで無能で。お世辞でも美人だなんて言えないけど。
本当は、俺にとっては『最高の無能』って思ってる。
(日本語になってませんよぅ、って、また言われるかもしれないけど。)

「鷸さんは、どうしたいんですか?」

「これからも、ずっとわたしじゃなくて、久能さんと一緒にいたいと思いますか?」

「…じゃなきゃ、ドロップアウトなんて……」

葦牙の俺にとって、鶺鴒計画で久能が機能停止することに、何の不利益もなかったはずだ。
鶺鴒が機能停止する。
それは、鶺鴒が葦牙とはなればなれになり、二度と会えないということ。
それだけだ、と俺は聞かされていた。

自分の安全と、久能がそばにいること。
どっちが大切か。

…俺は、再生専用の思い出なんていらなかったから。

「だったら、答えは決まってますよね」

「久能さんを迎えにいきましょう」

「……」

「ちゃんと伝えましょう」

「うん、そうだな、俺より、あんたの方が、早く佐橋に会いたいって顔してる」
「え?そうですか?」
「はなれて、半日も経ってないのにな」

「ふふ、お互い、おかしいですね…行きましょう」

にっこり、と笑う結に俺は頷き、そして、つられて笑った。








   




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鶺鴒No.95、久能は、パニックに陥っていた。

「無能ちゃーん、むのーちゃんもー脱ぎましょお」
「ふふふふふ、最弱の鶺鴒…松があんなところから、こんなところまで調べてあげるですよー」

「いや…ふぇっ……ふええええええ」

自分の葦牙、ハルカに置いていかれ、結の代わりに佐橋皆人と共に出雲荘へ。
出雲荘に到着するなり、佐橋皆人の鶺鴒たちに遊ばれていた。

自分の状況を頭の中で整理する暇もなく、もみくちゃにされている。

「これ着せてみましょう、これ」
「いいわねぇ〜」
「くーも〜、くーも着るー!」

「び、ビエエエエエエエエエエー」

押し倒されたり、無理矢理脱がされたり、
……着せ替え人形状態です。

「は、ハル……」

はきそうになった言葉を、ぐっと飲み込む。
こんな小さなことでも、また、助けを求めようとしてしまった。

「ふぇ…」

そんな自分に気付いて、こぼれそうになった涙を、必死にこらえた。


*****


静かな夜の庭。
わたしはひとり、月を見上げる。
…すごく、つかれました。
ただ、大家さんのご飯は、とてもおいしかったけれども。
みんな、とても幸せそうな顔をしていて。
…わたしも、あんな風に、ハルカさまを喜ばせてあげたいのに。

まばたきもできず、じっと見つめる月が滲んで、揺れる。

「くるしいです、ハルカさま…」

なにもできないわたし。
だめなわたし。
だめなわたし。

「No.95か……なにをしておる」
「……!」

突然、声をかけられ、ビクリと震える。

「あ、えっと、こ、こんばんは…」

後ろを向き、声の主を確認し、
声の主……月海に、ぺこりとお辞儀をした。

「泣いていたのか?ふん、相変わらず情けない鶺鴒じゃ」
「ご、ごめんなさい…」

彼女もまた、わたしとハルカさまの帝都脱出を手伝ってくれた、恩人の一人である。
あのとき、わたしはやっぱり祝詞を使っても全然お役に立てなくて、月海さんや結さんにたくさん助けて貰って、

「……謝る必要はないが」
「ごめんなさい、いつもわたしなにもできなくて……」
「……何を言っておるのか…」

いま、こんなことを言っても仕方ない。
なのに、悔しくて堪えていた涙がこぼれる。
情けない。

「………汝は」

「汝の葦牙は、何か見返りを求めて、己の利益で行動する奴なのか?」

「……?そ、そんなこと!」

一瞬意味がわからなかったが、わたしはその言葉に勢いよく首を横に振った。
いつも、自信がないわたしだけど。
これだけは、自信を持ってはっきり言える。

「絶対に、ありません!ハルカさまは……!」

「だったら、わかってるはずじゃ……汝の葦牙は、なぜ、危険を承知でドロップアウトを計画した?なぜ、無能な汝のそばにいる?」

「それは、………」

本当は、そんな理由、わたしが一番知ってる。
痛いほど、知ってる。

「でも、わたし、なにも……」

なにもできない。
いつも、やさしくしてくれるハルカさま。たいせつにしてくれるハルカさま。

たくさん、あいをくれる、ハルカさま。

なのに、わたしはなにも返せない。

だめなわたし。
そんなわたしが嫌で、いつも泣いてしまう。
いつもハルカさまに迷惑をかけてしまう。

「なにも、必要ないんじゃないかしら?」

突然の第三者の声。
その方向には、さっきまでわたしを散々おもちゃにしていた………

「風花!いつから!」
「うふふ、気にしちゃイヤよぉ〜」

「そうねぇ、ただ、嬉しい時にはちゃーんと、笑顔を見せてあげなさい」

そう言って、ふふっ、と風花さんは笑う。

なにも……必要ない。
わたしが、ハルカさまがそばにいればそれだけで幸せなように、
ハルカさまも……
迷惑ばかりかけているのに、あつかましいかもしれないけれど
………そう思っていてくれたら、嬉しい。

「そうじゃな、吾が汝を認めたときの汝の表情、アレを見たときの汝の葦牙の顔はなかなか愉快だったのう」
「むのーちゃん、笑うと可愛いんだから、ちゃんと自信持たなきゃ」

ちょっと照れくさいです。
でも、無能じゃなくて久能です。

「ちゃんと大好きだって伝えなさい。そばにいてあげなさい」

それだけ言い、風花さんは、出雲荘の中へ戻っていく。

「そこにいるだけで役に立っておる……吾も、皆人に出逢うまで気付かなかったがな」

小さくそう言って、月海さんも行ってしまう。
だけど、かすかに見えた、大切なひとを想いながら笑う月海さんはとてもきれいで。
そんな彼女の顔を見て、想う。


「ハルカさま……あいたいです…迷惑でも、やっぱりそばにいたい、です」


そう呟いた、そのとき。

「!?」

後ろから、誰かに抱き締められる感覚がして、わたしはビクリと肩を震わせた。


(誰が、いつ、迷惑だなんて言ったんだよ、この無能…! )




   


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がっしり、とつかまえられた久能は、逃げることも、振り向くこともできなかった。
背中に伝わる体温が誰のものかわからず、ただ、震えていた。
だけど、ふしぎと嫌な感じはしないので、全力で逃げることもしない。

「あ、あの…?」
「久能……俺」

「は、ハルカさま?!」

声の正体に気付き、今度は硬直する。

「気付けよ、ばか、むのー」
「あう……」

そして、今度はしょんぼり。
ころころと変わる、久能の反応。
そんな久能の反応がおかしくて、ハルカは思わず笑ってしまった。

「ハルカさま……」

ハルカが怒っていると思っていた久能は、少しだけ安心した。

「あの、どうして、ここに?結さんと一緒じゃ……」
「佐橋に会いたいって、帰ってきた」
「え……あ、そうですよね」

(わたしに、会いにきてくれたわけじゃ…ないんだ。)
(こんなこと言いたいわけじゃ………。)


………沈黙。


「あの、ハルカさま、ハルカさまの顔が見たいです」

沈黙を破ったのは、久能のほうだった。
その言葉を聞き、ハルカはずっと久能の後ろからまわしていた手をゆるめた。

「あ……わりぃ」
「なんで謝るんですか…わたしが謝らなきゃいけないんです…」

「いつもいつも、迷惑かけて、今日だって」
「あぁあ、また泣くっ」

振り向き、ハルカと向き合うなり、また泣き始めた久能の顔を、手でごしごしと拭ってやる。
(強引にかなり強くだが)

「泣くなっ、脱出の時にも言ったじゃん……そんなくだらないこと気にしないで俺についてくれば良い、って」
「でも、でも、わたし、」

「良いんだよ!それくらい……俺の女なんだから、
俺がお前に怒ってるワケじゃないってコトとか、自分でわかれよ!」

「あう……あうぅ…わたし、結さんみたいに綺麗じゃないです…おっぱいもおしりも目力も……」
「あー、うん、もう比べねぇ……それは、あやまる…ごめん…」
「わたし、なにもできません……」

「もともと無能なお前に何も期待してない……それでも、俺の女なんだ……むしろ、もっとワガママ言っていいくらいだって、気付けよ!」

ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ。

「んん、ハルカさま、いたいですぅ〜っ」

(……でも、俺が泣かせてるんだよな。)

(ちくしょう。)

「どうせ、出雲荘でも、ずっと泣いてたんだろ!」

あー、もーっ!


「久能はさ、ほんと、無能だから俺が一緒にいてやらないとダメなんだ……だから、一緒にいてやるって!言ってんの!!」


「……!?……はい!」


涙を拭ってやると、大きく頷き、くしゃくしゃになりながらも、嬉しそうに微笑む久能が可愛くて。



(結局素直に言えなかったけど。思わず、また抱きしめてしまった…俺!)




********




久能さんと鷸くんは、仲良く二人で帰って行った。
「佐橋、迷惑かけてごめん……」なんて言っていたけど。
困ったときは、お互い様ってことで。

「ふふ、一緒にいなくちゃダメダメさんなのは、本当はどっちなのかしらねえ?」
「あはは……どっちも、かな?」
「うふふ、あんなにラブラブなのに帰って別々のお布団で寝るのよ、きっと〜純愛よねぇ」

……風花さん、良い雰囲気台無しです。


とりあえず。
「おかえり、結ちゃん」

「ただいまもどりました、皆人さん!」

久しぶりの結ちゃんの笑顔に、ほっとする。
数時間はなれていただけなのに、ずっとはなれていたような感じがする。

「ありがとう、結ちゃん」
「なにがですか?」
「鷸くんと久能さんのこと」
「いえ、結はなにもしてませんから!お二人の絆ですよ♪」

結ちゃんにはやっぱりわかっていたんだね。

「月海も、ありがとう」
「もしや……聞いておったのか?!」
「ごめん……鷸くんを久能さんのところへ連れてきて…ちょっと」
「…ふんっ……吾らが全力で逃がしてやったんだ。幸せになってもらわんと困る」
そう言って、月海は顔を真っ赤にする。

「それに…No.95が不戦の鶺鴒だということは相変わらず気に入らんが……
葦牙の力になれん己に悩む……その葦牙に尽くしたいと願う、
No.95のまっすぐな気持ちは嫌いではない」

「……?よく久能さんの気持ちに気付いたね?」

「えへへー、だって恋する乙女ですから!!やっぱり結は皆人さんと一緒が良いです」

勢いよく飛びつく結ちゃんと、

「私も恋する乙女よお〜」

風花さんと、

「結いいいいっ、風花!くっつくな!正妻は吾ぞおお!!!」
「結も正妻です!」
「意味がわかっておるのか!?」

月海と、

「あーずるーい!くーも!おにいちゃんの妻だもー!」
「ちょ、くーちゃんまで、こんな時間に起きて………」

4人同時にくっつかれると…
つ、つぶれそうです……

でも、こうやってみんなで騒ぐ毎日が、幸せだよ。

「ふふふ、修羅場、昼メロ……うふふふふ……篝たんは混ざらなくて良いですか?」
「む……え、遠慮しておくよ…」



「あらあら、うふふ……佐橋さんったらこんな時間に……出雲荘は不純異性交遊禁止ですよ」



「!?み、みなたーん!う、うしろうしろー!」








おわりです!


あれ?やや仲直り理由が?不完全燃焼?
いたげる=いっしょにいてあげる=いっしょにいたげる です。
どうでもいい知識。